文?寫真＝小林正弘

清華大學(xué)法學(xué)博士　Genuineways IP Inc.パートナー

７月２９日、「長江の旅　世界と手を攜えて（長江之旅　世界同行）」取材チーム一行は武漢駅から高速鉄道で安徽省蕪湖（ぶこ）市に向かう。車窓から緑豊かな田園風(fēng)景、澄んだ湖、風(fēng)力発電の大きなプロペラが見える。長江中下流一帯が古くから肥沃な穀倉地帯として栄え、現(xiàn)在はグリーン発展?環(huán)境保護(hù)に注力している様子が垣間見られた。長江の雄大な流れを眺めつつ全長約６㎞の安慶鉄路長江大橋を通過し、夕日が沈む頃、長江に面し山と水が調(diào)和した都市?蕪湖に到著した。

翌朝、中國ロボット産業(yè)のリーディング企業(yè)「エフォート?インテリジェント?ロボット株式會(huì)社（以下「エフォート」）」を視察した。エフォートのロボット開発はその前身、2007年設(shè)立の自動(dòng)車部品會(huì)社「蕪湖奇瑞裝備有限會(huì)社」での工業(yè)ロボット自主開発に始まる。中國で工業(yè)用ロボットが注目されていなかった頃から自主開発の努力を続け、中國製造業(yè)グレードアップ関連政策の追い風(fēng)と中國電気自動(dòng)車産業(yè)の発展の浪に乗り、2020年に中國ハイテク?イノベーション企業(yè)向け株式市場（科創(chuàng)板）に上場を果たした。

エフォートの展示スペースでは工業(yè)用ロボットが自ら対象を識(shí)別し、必要な動(dòng)作を思考し自動(dòng)車部品の接合や各種形狀に応じた塗裝作業(yè)をしなやかに行う様子が見られた。また企業(yè)のニーズに応じてロボットの製品開発を行う工場內(nèi)では至る所で大型アームロボットが高速で動(dòng)作を繰り返したり、人型ロボットの動(dòng)作テストが慎重に行われている様子が印象的であった。

張?。à沥绀Δぃ└本t経理は、競爭の激しいロボット業(yè)界で生き殘るために常に努力を続けており、その戦略として國內(nèi)では清華大學(xué)やハルピン工業(yè)大學(xué)との共同研究、博士號(hào)取得を採用條件とする人材確保、海外市場開拓としてヨーロッパ拠點(diǎn)確保、２年に一度は日本企業(yè)の視察を行うなどして競爭力を高め、１０年後のロボット市場を見據(jù)えロボット製品開発を行っている様子を詳細(xì)に語ってくれた。その中で特に強(qiáng)調(diào)していたのが、企業(yè)のニーズを掘り起こしロボット製品市場を開拓する優(yōu)秀な営業(yè)マンの重要性であった。日本のロボット関連企業(yè)も中國企業(yè)の懐に深く入りニーズを発見して製品の販売につなげる積極的な市場開拓が必要な時(shí)代が到來していると感じた。

中國のロボット産業(yè)イノベーションの現(xiàn)場を視察した後、蕪湖市の伝統(tǒng)工蕓であり、ハンマーを以て筆に代え、鉄を以て墨と為す「鉄畫」を鑑賞すべく「蕪湖工蕓美術(shù)廠」を訪れた。館內(nèi)では清代に隣同士であった畫家と鉄工職人の交流を起源とし、中國畫の精神を鉄に転化させる獨(dú)創(chuàng)的な鉄畫蕓術(shù)の340年以上にわたる発展過程とその代表作品が展示されていた。80 以上の國々から5000人を超える外國人が來館しており、著名な日本畫家?東山魁夷氏もその蕓術(shù)性を非常に高く評(píng)価している。鉄畫が世界各國との文化交流において重要な役割を発揮してきた様子が伺えた。

今回は國家級(jí)無形文化遺産「蕪湖鉄畫鍛制技蕓」の代表的な伝承者である張家康氏が実際にその技法を竹の若葉の作成を通じて披露してくれた。一本の鉄線が熱せられ赤く光るとすかさずハンマーを続けざまに打ち込んでいく。すでに葉の形が打ち出されてもまだ完成ではない。異なるハンマーに持ち替え、若葉の初々しさ出し、捻りを加えて風(fēng)にそよぐ様子を表現(xiàn)していく。完成した青銅色の竹の若葉には葉脈までが浮き上がり、まるで本物のように生命力に溢れていた。張氏は完成した２枚の竹の葉を同行したイタリア人記者の娘と筆者の娘にプレゼントして下さった。多くの人々を魅了してやまない鉄畫の真髄に觸れる忘れがたい貴重な體験となった。

鉄畫技術(shù)の伝承は戦爭や歴史の原因で一時(shí)的に斷絶の危機(jī)に直面した後、1957年頃から復(fù)興がなされ現(xiàn)在に至る。しかし、ハンマーを操る力仕事であり、高い蕓術(shù)水準(zhǔn)に達(dá)するには長期間の鍛錬と蕓術(shù)的な素養(yǎng)が必要とされるため後継者不足に直面している。これに対し、蕪湖市では2025年4月17日に「蕪湖鉄絵継承?発展促進(jìn)3カ年行動(dòng)計(jì)畫（2025-2027年）」が決定され、今後、鉄畫技術(shù)伝承、産業(yè)促進(jìn)、IP宣伝など創(chuàng)造的な発展に向けた各種取り組みがなされる予定だ。今後の鉄畫工蕓の継承と更なる発展を心から祈りたい。

蕪湖ではロボット産業(yè)の勢いと伝統(tǒng)蕓術(shù)の溫もりを感じることができた。取材チームはバスに乗り込み一路南京へと向かった。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2025年8月13日